賃貸中の平屋が空き家になりましてー3
夫婦の温度差!? やる気満々の夫と、半強制参加の妻
こんにちは。地方で細々と賃貸業を営む50代サラリーマン夫婦の、妻のほうです。
前回の続きです。
まず、【夫】の様子です。
普段から週末になると日曜大工をやったり、ホームセンターの工具売り場を当てもなくウロウロするのが大好きだった夫。彼にとって今回のDIY大改造は、苦難ではなく「絶好のチャンス」に見えていたようです。
「ついに俺のDIY力を本格的に試す時が来た!」
「ホームセンターでインパクトドライバーと丸ノコ買っちゃおうかな!」
完全に新しいおもちゃを手に入れた子供のように目を輝かせ、YouTubeでDIY動画を夜遅くまで漁る日々が始まりました。
一方で、【妻】である私。 私の本音は一言で言えば「完全な半強制参加」です。 「え、待って……? せっかくの貴重な休日を返上して、遠くの物件まで通って、埃まみれになりながら大工仕事をするの……?」 考えるだけでドッと疲れが押し寄せてきます。ペンキ塗りくらいなら楽しそうですが、本格的なリフォームなんて素人にできるわけがありません。怪我でもしたらどうするの、と不安と不満でいっぱいでした。
「まあまあ! 俺がメインでやるから、手伝うだけでいいからさ! 綺麗になったら絶対達成感あるって!」 ノリノリで工具箱を準備する夫の勢いに押され、半ば引きずられる形で作業車へと乗り込んだ私。
やる気満々のホームセンター愛好家(夫)と、不安だらけの巻き込まれ作業員(妻)。 こんなちぐはぐな凸凹ペアで、果たして無事に原状回復を完了させることができるのでしょうか……。
絶望の「水回り」と「ボコボコ玄関」チェック
まずはどこから手をつけるべきか、部屋全体のダメージ調査(という名の現実直視タイム)を開始しました。メモ帳とメジャーを持って各エリアを細かく点検していきます。
特に重症だったのは「水回り」と「玄関周り」でした。
① 絶望のキッチン 長年の油汚れと水垢がレイヤーのように重なり、ステンレス部分はサビと変色でドロドロ。棚の扉はすでに外れていて、湿気で底板がたわんで腐食しかかっていました。多分このキッチンは長く使っていなかったのでは?衛生的に無理で、修復不可能なレベルだと判断しました。
②洗面所(ここで顔を洗えますか?) 洗面台はプラスチック部分が黄ばみ、洗面ボウルには細かいヒビと落ちない蓄積汚れ。試しに洗剤とスポンジでゴシゴシと力を込めて磨いてみましたが、長年染みついたくすみはびくともしません。 「ねえ……もし自分が借り主だとして、毎朝ここで顔を洗って、歯を磨く気になれる?」 夫に問いかけると、夫は無言で首を横に振りました。清掃程度では絶対に解決できない清潔感の欠如がそこにありました。
③ 暗くてボロボロのお風呂 タイル目地には頑固な黒カビがびっしり。壁面や浴槽も全体的にくすんでおり、照明をつけてもどこか薄暗く、入浴して疲れを癒やすどころか憂鬱になりそうな空間でした。
④ ボコボコに傷んだ玄関上がり框(かまち) お部屋の顔である玄関。足元に目をやると、靴を脱いで上がる框(かまち)の部分が、踏まれる頻度と湿気のせいか層が剥がれ、表面がボコボコに波打っていました。足で踏むと「ベコッ」と嫌な沈み込み方をします。
「……これ、本当にプロじゃない私たちが直せる範囲を超えてない?」 次々と見つかる大物トラブルの数々に、私は眩暈(めまい)がする思いでした。

