不動産賃貸業
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賃貸中の平屋が空き家になりましてー2

ぷらん
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地方で細々と賃貸業を営む50代サラリーマン夫婦の、妻のほうです。
うちの賃貸業は、40代初めに夫が突然「新築アパート買った!」と宣言したところから始まりました。
あのときの私は、寝耳に水どころか、滝に打たれた気分でしたが、気づけば法人化され、いつの間にか“共同体”扱い。興味のない私も、最近は責任を問われる場面が増えてきて、正直ちょっと不満です。

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前回のあらすじ

荒尾市にある平屋3軒のうち1軒が空き家に。
賃料と修繕費のバランスが合わないため、夫が「自力で現状回復する!」とDIYモードに突入。
そして私は、またも巻き込まれたのでした。

今回のエピソード:夫、DIY動画にどっぷり浸かる

前回の訪問からおよそ1週間、夫は毎晩YouTubeで
「畳→フローリングDIY」
「砂壁を漆喰に塗り替える方法」
などの動画を研究。
材料の仕入れ先まで調べ、まるで新しいゲームを攻略する時のような熱中ぶり。
もちろんコスパを考えての行動…のはずなのですが、どうも“自分のDIYスキルを上げたいだけでは?”という疑念が拭えません。
そして迎えた、サラリーマンにとって唯一の自由時間・土日。
夫の「現場に行くけど来ても来なくてもいいけど」の一言で、そう言われるとと同行することになりますよね。

現場のドアの前に立ったその瞬間、私の全神経が「引き返せ!」と警鐘を鳴らしていました。

前回は管理会社の方との立ち会い確認がメインだったため、お部屋をじっくり舐めるように見る余裕がありませんでした。しかし今回は、いよいよ本格的な実態調査。

腹を括ってガチャリと鍵を開け、一歩足を踏み入れた瞬間――

「うっ…………(絶句)」

声にならない悲鳴が口から漏れ出しました。 私の鼻腔をダイレクトに直撃した、圧倒的なまでの「猫」の存在感。

直感しました。これは絶対に、一匹や二匹のレベルではありません。 いや……ぶっちゃけ“飼っていた”というより、“野良猫の集会場として住みつかれていた”レベルです。

何がすごいって、お部屋の至るところにある「砂壁」です。 壁をフッと見つめると……なんと、ポロポロした砂壁に猫の毛がびっしり!! まるで「猫毛の壁紙」でも貼り付けたのかというレベルで、壁全体が毛でデコレーションされているのです。ひえぇぇぇ……!

「よし、掃除機で一気に吸い取ってやる!」と鼻息荒く掃除機を起動したものの……

【結果:ビクともしない。】

砂壁のザラザラに猫の毛がガッチリと密着(フュージョン)しており、掃除機の吸引力ごときではビシッと一根も取れません。どんな強力粘着だよ!!

焦った私はホームセンターへ猛ダッシュ! 急遽「粗めのほうき」を購入してきて、壁をゴシゴシと力任せに掃いて対処を開始しました。しかし、一度や二度擦ったくらいでは到底取り切れない猫毛の執念。私の腕の筋肉が先に限界を迎えました。

一方、その惨状を目撃した我が夫。

彼は静かに目を細めると、無言のままボロボロの「ふすま」に手をかけ、突如としてふすまのパージ(強制排出)を開始しました!

「まずは邪魔な障害物を排除する!」と言わんばかりの手際でふすまを外し、外の縁側へと積み上げていきます。

と、ここで新たな事件が発生。

押し入れのふすまを外していた夫が、突然「あ……」と声を漏らしました。 恐る恐る近寄ってみると、押し入れの天井部分になぜかデカデカと貼られた「ガムテープ」の存在が。

「なんだこれ?」と夫がそのガムテープをペリペリッとめくった瞬間……

天井、落ちてました。(爆笑するしかない)

正確に言うと、過去の雨漏りか湿気なのか、天井の板が腐り落ちてボロボロになっていたのを、前の住人(?)がガムテープで強引に留めて隠していたらしいのです。雑すぎる応急処置!! どんなDIYだよ!!

しかし、そんなホラーな発見にも怯まない夫。 6帖と4帖半の続き間にあるふすまも、もう一つの押し入れのふすまも、木枠ごとボロボロだったため、片っ端から外へ叩き出しはじめました。

後から夫に「なんであんな勢いでふすま外しまくってたの?」と理由を聞いてみたところ、

「いや、作業の邪魔だったし……何より『紙』が全部あの悪臭を吸い込んで重毒化してるから、一刻も早く外に出したかったんだよね」

とのこと。 なるほど、夫なりの「悪臭のデトックス作戦」だったわけです。

近所の子どもたちの素直な声

臭いがすごいので、窓を全開で作業していると、
外で遊んでいた近所の子どもたちが、建具が運び出される様子を見て
「うわぁ、ボロボロ」
とつぶやくのが聞こえました。
ええ、そうでしょうとも。
私も心の中で深くうなずきました。
それでも、こんな状態で文句も言わず家賃を払ってくれていた元住人さんには、逆に感心してしまいます。

【悲報】床をめくったらテープの三層構造!?

改めて各所の惨状をチェックしていく私たち。

見れば見るほど、突っ込みどころが留まるところを知りません。 キッチンは言わずもがなボロボロで一発アウト(新品に交換確定)。 トイレに行けばドアノブがぶっ壊れてグラグラ(これも交換必須)。

今日の目標は『掃除』と『砂壁のシーラー塗り(下地処理)だったのに・・・

ふと横を見ると、我が夫の目が怪しくキランと光っています。

次の瞬間、夫はバールとドライバーを手に取り、目についた場所を片っ端から爆速で解体・撤去し始めたのです!!

「えっ、待って!? シーラー塗りは!? 掃除は!?」

私の叫び声など耳届かぬ様子で、「ここもダメ!」「ここも撤去!」と無心で破壊活動に勤しむ夫。 はい、本日の作業スケジュール、見事なまでに完全迷子になりました(涙)。 計画性とは一体……。

しかし、夫が解体ショウを始めたことで、この物件の「闇の深さ」が次々と白日の下に晒されることになります。

問題は廊下と玄関まわりです。

玄関の上がり框(かまち)には、なぜか痛々しく貼られた「ビニールテープ」。 廊下を進むと、綺麗そうな「フロアシート」で補修されているものの、足を踏み出してみると「フカッ……」と不気味に床がたわむのです。底抜けそうで恐怖しかない。

危険を察知した夫が、そのフロアシートの端を掴み、「えいっ」と剥がしてみました。

すると……

フロアシートの下から、緑の養生テープがびっしり登場!!

「えっ……なにこれ、テープの二重構造!?」と驚いたのも束の間。

夫がさらにその緑の養生テープをベリベリ剥がしていくと、下から出てきたのは湿気で湿りきったベニヤ板。 そして、そのベニヤ板には……見事なまでの猫の尿の染み跡がぎっしり。

そうです。過去の住人(または大家さん?)は、猫の尿でベニヤ板が腐り、たわんでしまった床を直すのが面倒くさかったため、

  1. 猫尿で腐ったベニヤ板の上に
  2. 緑の養生テープを敷き詰めて補強した気になり
  3. その上から綺麗なフロアシートを貼って隠蔽する

という、まさかの「マトリョーシカ式テキトー応急処置」をかましていたのです!! どんな三層構造だよ!! 悪質すぎるリフォームテクニック(?)に、思わず笑うしかありませんでした。

「うわぁ……これ、床の土台(根太)まで全滅してたら、床組み直しで大工事(=大破産)じゃん……」

絶望に打ちひしがれながら、夫が恐る恐る腐ったベニヤ板を引っぺがし、床下を覗き込みました。

すると――

「……あ! 根太(ねだ)は綺麗でしっかりしてる!!」

なんと! 地獄のような三層構造のさらに奥底、一番大事な床下の木枠(根太)だけは、奇跡的にダメージを受けず頑丈なまま残っていたのです!!

「神様……ギリギリのところで踏みとどまってくれてありがとう……!!」

奇跡の「根太無事」という希望の光を見出すことができました。

現場から逃げたい妻 vs 突如バールで暴れ出す夫。畳を剥がしたら「鼻」が完ぺきに終わった。

謎の不快臭が充満する現場で作業を続け、私の精神と体力のゲージはすでに限界ギリギリ。 「お願いだから、お願いだから『本日の作業は終了!』って言って……!」と心の中で神様に祈りを捧げ、そろそろ撤収の空気感を全力で醸し出していた、まさにその矢先でした。

ふと視界の端に入ったのは、うちの夫。

……ん? なんでまだ手に「バール」なんて凶悪なツールを持ってるの……?

私の「もうすぐ帰れるのかな♪」という儚い淡い期待を微粒子レベルで打ち砕くかのように、夫は突如としてゾーンに入り、勢いよく畳にバールを突き刺して剥がし始めたのです!

「えっ、待って!? 今から畳剥がすの!? ウソでしょ!?」

あまりの部屋の臭さに耐えかねた夫が、「臭いの元凶(畳)を今すぐ外に排出したい!」という野生の衝動に駆られたのでしょう。 しかし、畳を持ち上げた瞬間、私たちはさらなる地獄の扉を開けてしまったのです……。

なんと、畳と畳のすき間のヘリ部分には、猫の毛がびっしり……!!

ひえぇぇぇぇ!!! その瞬間、封印されていた「熟成された濃厚な悪臭」が一気に解放され、津波のように押し寄せてきました。 こっちは分厚いマスクを装着しているというのに、そんな防具は紙切れ同然。防御力を貫通して私の鼻孔を容赦なくダイレクトアタックしてきます。

【結果:私の鼻、完ぺきに死亡。】

しかもこの畳、長年の湿気なのか、はたまた過去の動物の尿なのかをたっぷり吸い込んでいて、持つと尋常じゃない重さ。 「う重っっッ!!」と声を上げながら抱え上げるのですが、抱える=あの激臭畳に顔を近づけざるを得ないという恐怖の仕様。息を止めても、目からも皮膚からも臭いが侵入してくる感覚です。まさに拷問。辛すぎる。

そんな地獄絵図の中、夫はというと…… 眉ひとつ動かさず、淡々と、まるで機械のようにバールで畳を剥がし続けています。怖いです。

6帖と4帖半、合わせて10枚と半分の激重・激臭畳を次々と剥がし、掃き出し窓から縁側へとテトリスのように積み上げていく夫(※もはや職人)。 私は死んだ目でそのあとに続き、箒でゴミを掃き掃除していくのですが……元凶を外に出したはずなのに、部屋中の臭さは一向に減る気配を見せず、充満しっぱなしでした。なんでなの。

結局、本日は「古いクロス剥がし」「キッチンの撤去」「畳の強制排出」というハードワークを完了し、二人とも体力の限界を迎えて力尽きました。

ヘトヘトになりながら乗り込んだ、帰りの車内。

夕暮れの景色をぼんやりと眺めながら、私の頭の中には二つの感情が渦巻いていました。

「これ……本当にプロに頼まず自力で直せるのかな……(というか住める状態になるの?)」

という底知れぬ不安と、

「いや……横でハンドルを握る夫は『俺のDIY魂』が燃え上がりすぎてやる気満々だし、何が何でも最後までやり切るんだろうな……」

という、逃れられない運命に対する諦め。

不安とあきらめがマーブル状に混ざり合った、なんとも言えない複雑な気持ちでシートに沈み込みました。

次回はいよいよ、砂壁を攻めるのか、それとも剥き出しになった床の張り替えに着手するのか……。 どちらにせよ、またしても私が容赦なく巻き込まれる未来しか見えません(涙)。

私の鼻と腰は、果たして次回まで無事でいられるのでしょうか!? 続報を待て!!

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ABOUT ME
ぷらん
ぷらん
50代の派遣社員(CADオペ)。数年前、夫がいつの間にか新築アパート買ってから気がつけば法人化、夫の爆走に振り回される日々。 理想はゆったりしたい派、現実は「日常の多忙な作業員」。そんな私のリアルなぼやきを綴ります。
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