くらし
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家を建てるリスク ― 借景と土地活用のリアル

ぷらん
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新築当時、わが家の最大の価値は「景色」でした。

山と農業用の池。
真横には休耕田。
空と緑に囲まれ、鳥の声が聞こえ、雉が歩く。

自分の土地ではないと分かっていながら、
私は山側に大きな窓を配置しました。

これは、借景という名の“外部資産”を取り込む設計でした。

土地を買ったつもりでも、
実は景色は所有していない。

その当たり前を、当時は深く考えていませんでした。


山が売れるということ

数年後、その山が売却されました。

開発業者が入り、造成工事が始まり、
あっという間に住宅地へ。

これは土地所有者にとっては正しい選択です。

山林を保有し続けても固定資産税はかかる。
相続の問題もある。
維持管理の手間もある。

売却し、宅地に転用することで資産は現金化され、
地域には新しい住宅が増える。

不動産の世界では、自然な流れです。

それでも私は、
「景色を失った側」になりました。


そして、隣地のアパート建設

さらに決定的だったのは、
真横の原っぱにアパートが2棟建ったことです。

窓の外は、緑から灰色へ。

しかも配置プランは、
わが家のデッキ横が通路。

これは偶然でしょうか。
それとも、建ぺい率・容積率・採光・動線効率を最大化した結果でしょうか。

おそらく後者です。

アパートはメゾネットのファミリータイプ、家賃9万円。
急行も止まらない郊外で、募集1ヶ月で満室。

数字が証明しています。

・土地活用は成功
・市場ニーズを捉えている
・プランニングも合理的

不動産としては、優秀な事例です。


景色は価値になるのか

ここで一つの疑問が生まれます。

「景色」は資産価値に含まれるのか?

答えは、限定的に「YES」。

眺望は価格に影響します。
しかしそれは“永続的に保証された眺望”であってこそ。

用途地域、建築制限、隣地の形状。
そこまで確認して初めて、景色は“守られる価値”になります。

わが家はそこまで検討していませんでした。

隣地の用途地域は?
建ぺい率は?
将来アパートが建つ可能性は?

考えていなかった。

不動産は「今」ではなく「将来変化するもの」として見るべきだったのです。


所有とコントロール

今回学んだのは、

「所有していないものはコントロールできない」

という単純な事実です。

自宅の土地は所有していても、
隣地の活用方法はコントロールできない。

借景は無料で得られる付加価値ですが、
同時に、いつでも失われる不確定資産。

これは投資用不動産でも同じです。

周辺環境の変化は、
利回りにも資産価値にも直結する。

自宅でそれを体感するとは思いませんでした。


永住という選択

今、私は考えています。

ここは永住の地なのか。

住まいとは建物だけではなく、
環境を含めた「総合的な資産」。

もし環境が変わる前提で考えるなら、
・将来売却する可能性
・賃貸に出せるか
・土地としての汎用性はあるか

そういった視点も必要です。

家は夢であり、同時に不動産商品でもある。

感情と数字は、時に対立します。

今回の出来事は、
「借景」という甘い響きの裏にあるリスクを教えてくれました。


これから家を建てる方へ

窓の外の景色は、誰の土地ですか?

その土地は将来どう使われる可能性がありますか?

用途地域は?
建ぺい率は?
周辺に開発計画は?

家づくりは建物の間取りだけでなく、
“周辺環境の将来予測”まで含めて考える時代です。

景色は美しい。
でも、保証はない。

それが不動産のリアルです。

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ABOUT ME
ぷらん
ぷらん
50代の派遣社員(CADオペ)。数年前、夫がいつの間にか新築アパート買ってから気がつけば法人化、夫の爆走に振り回される日々。 理想はゆったりしたい派、現実は「日常の多忙な作業員」。そんな私のリアルなぼやきを綴ります。
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